周りの友達がスマホを持ち始めたら、我が子だけ持たせないわけにはいかないですよね。でも、スマホって学力低下とかいじめとか悪い大人に騙されたりするって聞くので恐ろしい…。食事中でもスマホを離せなくなるほどの依存症とかも聞くし…。
この記事では、
『子供がスマホを持つとどんな影響があるのか』
『オススメのスマホルール』
について、世界的ベストセラーの【スマホ脳】(アンデシュ・ハンセン著)に記載されていることを中心にご紹介します。
もくじ
子供のスマホ依存とは
依存とは、それなしでは生活できない状態になることを言います。アルコールや薬物、ギャンブルなどを思い浮かべる人が多いと思います。スマホに対しても同じような状態になり得るのです。
私と同世代(30代半ば)のご両親はスマホを手にしたのが高校卒業後くらいだったのではないでしょうか。学生の頃はガラケーで、連絡手段もEメールでしたし、SNSもやってる人の方が珍しく、ゲームもそれほど面白いものはなかったように記憶しています。ケータイにそれほどの魅力はありませんでした。
子供がスマホに依存するのはなぜなのでしょうか?
スマホ依存のほとんどの理由はSNSかゲームです。なんとなくはそう思っていた方もいるのではないでしょうか。ですが、「最近のSNSやゲームは面白いからね~」なんて安易な考えではよくありません。スマホには脳科学的に依存しやすくなる理由があったのです。『スマホ脳』に書かれていることを参考に説明していきます。
スマホは最新のドラッグ
スマホ依存に関係している重要なキーワードが「ドーパミン」である。ドーパミンは脳内の神経伝達物質であり、さまざまな効果がある。ドーパミンが出ると幸福感を感じる、いわゆる快楽物質でもあります。
スマホとドーパミン。どんな関係があるのか。まず、いつドーパミンが分泌されるのか調べた実験を紹介します。
ある音が鳴るとジュースがもらえる実験をサルに行った。サルのドーパミン量はジュースを飲む時よりも音が鳴った時の方が多かった。しかも、絶対にジュースがもらえるよりも2回に1回しかもらえない方がドーパミン量が多かった。つまり、報酬を期待したときにドーパミンがドバッと出るのです。
スマホゲームにはガチャというシステムがあります。ガチャを回すと貴重で強力なアイテムが時々出ます。このガチャを回す瞬間にドーパミンが出て、快楽を感じるのです。
もう一つ、スマホでドーパミンが出るのはSNSの通知が来たときです。自分の発信にいいねがついたかもしれない、バズっているかもしれない。憧れの芸能人が何か発信したかもしれない。このようにスマホでお知らせが来て、何かに期待したときにドーパミンが出るのです。
もっと詳しいことが『スマホ脳』には書いてあります。この本には子供にスマホを与える親が知っておくべき知識が詰まっています。
スマホの使用時間と学力は関係ある?
以前にゲームと学力の関係について記事を書きました。
ゲームをする子ほど学力が低いと考えられてきました。長時間ゲームする子は学力が低い傾向があるのは確かです。これは単純に学習時間の短さが原因であって、ゲームを長時間していても、勉強時間も確保できていれば問題がないことがわかったのです。
スマホの使用時間が長くても、勉強時間さえ確保できていれば大丈夫なのでしょうか。残念ながらそんなことはありません。スマホは昔のテレビゲームとは違うのです。
勉強をするとき、スマホがそばにあるだけで集中力が低下するという驚くべき研究結果があるのです。SNSなどの通知があると気になって集中力が途切れることは想像しやすいと思います。スマホと集中力の研究ではサイレントモードであってもポケットにあるだけで集中力の低下傾向がみられたのです。勉強に集中するには部屋の外に置くくらい離れる必要があるようです。
『スマホ脳』ではスマホで勉強することや調べものをすることも注意喚起しています。
10代の子供はスマホ禁止!?
子供には衝動を抑える力が低いのです。目の前のお菓子を食べつくしたい、美味しいジュースをたくさん飲みたい。お腹が痛くなるまで食べたりしますよね。大人であれば「これくらいでやめておこう」と衝動を抑えられるところなのですが。
もちろん、スマホに対しても同じことが言えて「スマホを手に取りたい」という欲求を我慢する力が弱いです。衝動を抑える力が弱いところに、すごく魅力的なテクノロジーの詰まったスマホが襲い掛かります。
スマホにはドーパミン(快楽物質)を出す力があるという話をすでにしてきました。ドーパミンが一番活発なのはティーンエイジャー(13~19歳)なのである。衝動を抑える力が弱く、ドーパミンも出やすい年頃なので依存症になりやすい。「お酒は20歳を過ぎてから」なのはこれが理由なのである。スマホも禁止すべきでは?という声があるのもうなずけますね。
スマホの生みの親といえばスティーブ・ジョブズを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。ジョブズはあるインタビューでこう答えたという。
うちでは、子供たちがデジタル機器を使う時間を制限している
(スティーブ・ジョブズ)
脳科学的にオススメの子供のスマホルール
私が『スマホ脳』を読んで、子供のスマホルールをまとめてみました。
使っちゃダメと言ってしまうのは簡単ですが、友達との人間関係であったりSNSで夢に向かって発信していたりと、使う理由は様々だと思います。スマホと上手に付き合うためにこれだけは守っておきたいルールにしぼりました。
① 勉強するときはスマホを別の部屋に置く
自分の部屋で勉強する子はリビングに置く、リビングで勉強するなら自分の部屋に置く。25分勉強したら5分休憩で使って良いなど(ポモドーロタイマー)。目の前にスマホがあると、ふとした瞬間にスマホを手にしてしまうものです。でも1時間とか2時間とか無謀な時間を設定しては続かないので、時間は相談して決める方が続けられると思います。
② おやすみモードの設定、目覚まし機能は使わない
子供の睡眠時間が短くなってしまう理由の1つにスマホがあります。夜中に一度起きてSNSチェックしている子もいるようです。ここでも問題なのはSNSのお知らせです。枕元にスマホを置いて寝ようと思ったところにバイブで通知が来ると気になって見てしまいます。
おやすみモードを設定しましょう。この機能は決められた時間に通知が来なくなります。例えば11時~6時までなどに設定してスマホが睡眠を妨害することを防ぎましょう。
同様に、スマホを目覚ましとして使うこともやめると良いと思います。寝るときにスマホを枕元に置かないことで、眠れなくてついスマホを触ってしまうということを少しだけ防ぐことができます。
これらのルールで勉強時間と睡眠時間をまずは守ってあげて欲しいです。
親子で両者が納得いくことがとても重要です。お子さんと少しアレンジしてください。他のルールを付け加えるのも当然アリです。
まとめ
世界的なベストセラー『スマホ脳』を読んで、皆さんに知って欲しいことを記しました。海外の書籍ですが、例え話などもわかりやすいですし、学術的な部分も専門用語が少なくなっていて読みやすいです。スマホの何が恐ろしいのかを知るにはうってつけではないかと思います。