作文を書くときに「何を書いたらいいかわからない」と悩む小学生・中学生のお子さんはとても多いです。私もその経験がありましたし、お父さんお母さんもご自身で経験した覚えがあるのではないでしょうか。
作文には書き方のコツがあります。ですが、コツを知るだけで上手く書けるのなら誰も作文で苦労しません。作文は練習すれば上手くなるのです。
この記事では作文のコツを説明して、そのコツを身に付けるための練習方法をご紹介します。本記事を読めばお子さんは作文に困らなくなりますよ。
もくじ
作文が書けない理由
なぜ作文が書けないのでしょうか。理由を考えてみましょう。
文章を書くのが苦手だから?
そうではありません。
作文を書けない理由は『いきなり書こうとするから』です。
作文が宿題に出ました。机に原稿用紙を用意して、鉛筆を手に持って「さぁ書くぞ!」と意気込んだものの「何を書いたらいいのかわからない」という状態に陥ってしまうのです。
学校の授業では作文のルール(原稿用紙の使い方)は教えてくれます。ですが作文の書き方はほとんど教えてくれません(先生によっては教えてくれるかも)。
多くの子ははじめから原稿用紙に文字を書こうとしてしまいます。いきなり文章を書こうとすると「書けない!」と苦手意識が生まれてしまうのです。
作文の書き方のコツ

作文を書くとき、いきなり原稿用紙には書きません。
どんな売れっ子の小説家や漫画家でもいきなり書き出す人はいないと思います。文章を書くときにはその前に必ず『構成』を考えるのです。
作文を書くことに困っている子はあるパターンを当てはめて良いです。ありがちなストーリーになってしまっても良いのでまずは簡単な物語を考えてみてください。そこにお子さんが実際に経験したことを書き加えれば立派な作文になります。
・いきなり書き出さない
・簡単な物語を決める
・体験談を書き加える
題材を決める
作文を書くときにはテーマがあると思います。宿題だったら先生が決めますね。
『夏休みの楽しかったこと』をテーマとして進めてみましょう。
実際に経験したことを書きたいので「家族で出かけたこと」や「習い事のイベント」などはじめての経験を題材にすると書きやすいですよ。
構成(物語)を考える
原稿用紙とは別の紙を用意して構成を書いてきます。構成は3段か4段です。
①はじめに
②経験1つ目
(③経験2つ目)
④おわりに
文字数や書きたいことの数によって③を書くかどうか考えましょう。
①「はじめに」
①「はじめに」では題材の説明をします。
なぜそこに行くことにしたのか?誰と行ったのか?何で行ったのか?5W1Hを使ってお父さんお母さんがリポーター風に質問すると楽しくできます。
Who:誰と?
When:いつ?
Where:どこに?
What:なにで?
Why:なんで?
How:どのように?
②③「経験」
②③「経験」では実際に経験したこと、感じたことを書き出します。
詳細に書いてあるほど読む人は物語に入り込むので、良い作文になります。会話などを覚えていればかっこ書きを加えると作文の見栄えが良くなりますし、行数も稼げます。文字数が足りなそうならば2つ目の経験談を書き出します。
④「おわりに」
④「おわりに」は経験によって得たことをまとめます。
この経験を経て何を得たのか、将来はどうしたいのか、今後にどうやって活かしていきたいのかなどを書きます。本人がこの経験で成長したことをビシッと書いて締めます。
作文を書く
構成が決まったら原稿用紙に書いてみよう。
後で説明しますが、タイトルは書かずに原稿用紙の3行目から文章を書き始めよう。何を書いたらいいのか決まっているので文章が書きやすくなったはずです。あとは文字数に注意して思いのままに鉛筆を走らせよう。
タイトルを決める
タイトルを決めるのは最後です。多くの子がタイトルを先に決めてしまいます。これは作文が書けない理由と少し重なってきます。
例えば「おばあちゃんち」というタイトルを先に付けてしまったら、おばあちゃんの家でのできごとについて書かなくちゃいけないと思ってしまいます。
本当はおばあちゃんちに行く道中が楽しかったり、おばあちゃんちの近くの公園で遊んだことが楽しかったのかもしれません。
先にタイトルを決めると発想が縮こまってしまうのです。
作文を書き終えてみるとはじめに想像していたことと異なる「おわりに」になることがあります。思っていたの違う結末になってしまうことは悪いことではありません。
タイトルは作文の顔です。本文を書き終えてからその内容を一言で言い表したタイトルを付けましょう。本文に合った良いタイトルが付くと作文が一気にかっこよくなります。
作文が上手くなる練習方法

お子さんが上手に作文を書ける気がしましたか?ですが残念ながらコツを知っただけでは上手くならないのが作文です。
たとえば、野球のピッチャーには早く投げられるコツがあります。ですがコツを知ったところでいきなり150km/hの剛速球は投げられません。コツを知っただけではダメで必ず練習が必要です。
作文もうまくなるためには練習が必要です。その練習に適しているのが日記を書くことです。
日記は短い作文です。先ほどのコツの通り、テーマを決めて、構成を考えて、実際に体験したことを盛り込むという日記を書いてみましょう。毎日練習を重ねていると自然と表現が豊かになってきます。
練習ドリル
「日記を書くだけで上手くなるとは思えないなぁ。」という方は作文を練習するドリルを使いましょう。「構成を考えて毎日日記を書くこと」をオススメしますが、日記を毎日書くのもツライです。
ドリルは考え方やヒントとなることが説明に加えられているので取り組みやすいです。また、ドリルがテーマを用意してくれているので楽しく作文に取り組むことができます。
意外と盲点なのが、作文のテーマを決めることはハードルが高いということです。「何でも好きなことについて書いて良いよ!」と言われると作文を書く前にテーマを考えなくてはなりません。テーマを決めることに時間を取られてしまい、いざ作文に取り掛かるころには嫌になってしまうことだってあります。作文の練習するときには作文の練習だけに集中できる練習ドリルを使うのがオススメです。
通信講座
『ブンブンどりむ』は作文の通信教育です。お子さんが書いた作文を専門家が添削してくれます。
算数や理科・社会についても作文の課題があるので、ただ作文の練習だけではなく、他の科目の思考力や説明力も身に付くのでその他の科目にも良い効果が表れます。「算数の文章題が解けるようになった」など他教科の学力アップにつながったという口コミも多数あがっています。
明治大学 齋藤孝教授が監修していて安心の教材です。まずは無料体験してみてはいかがでしょうか。
作文が上手い子と下手な子の違い
ここまでは構成に当てはめることで作文が書けるようになるコツを説明しました。構成に当てはめて書いてみても作文が上手い子と下手の子には違いが出てしまいます。この違いは何なのでしょうか?
表現の豊かさです。
上手い作文は面白いストーリーでもなければ、すごい経験をしたわけでもありません。表現が豊かなのです。例えば「久しぶりにおばあちゃんと会った」と書くのではなくて、「前に会った時よりもおばあちゃんの背は少し縮んだように思えた」と書けば『久しぶり』が豊かな表現になります。
作文が上手い子はなぜこのような豊かな表現を得ることができるのでしょうか。さきほど紹介したように練習を重ねると表現も豊かになります。練習の他にもう1つ作文の上達に大切なことが読書量です。
たくさん本を読むことは作文を書く力、とくに表現の豊かさに影響します。作文のプロの文章表現にたくさん触れているので自分が感じたことを文字にすることが上手くなるのです。
読書と作文力に相関があることは聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。また初めて聞いた方もなんとなく理屈はわかるのではないでしょうか。
1.日記で練習すること
2.本をたくさん読むこと
オススメの書籍
作文の表現力を付けるのにオススメの書籍をご紹介します。作文の表現を豊かにするのに結局は物語を読むのが一番です。
ねらわれた星(星新一ショートショートセレクション1)
本を読むのが得意でないお子さんはショートショートから始めるのがオススメです。短い話で様々な主人公の物語を読めるのが良いところです。
注文の多い料理店 -宮沢賢治童話集1-
こちらも童話集となっていて様々な物語を読むことができます。宮沢賢治の物語は読み始めると引き込まれますよね。
まとめ
作文の書き方のコツと練習方法を紹介しました。
作文はいきなり書き始めるのではなくて、構成を考えることから始めましょう。
作文が上手くなるコツ:構成を考えること
日記は効果的な練習方法
読書は作文の表現を豊かにする
最後までお読みいただきありがとうございます。


