みなさま、おめでとうございます!maisanaです!
ノーベル化学賞は「リチウムイオン電池の開発」が受賞しましたね!
受賞の先生方、おめでとうございます!
見た目は3名ともおじいちゃんだから差を感じませんが、グッドイナフ先生は97歳、吉野先生は71歳とその差は26歳。
リチウムイオン電池は国も世代も超えて研究が進められて実用に至ったのですね!
一見、この3名の成果のように思ってしまうけれど、その間には無数の研究者が無数の学術論文を書いてこのような結果に至ったのです。
まさに「巨人の肩の上に立つ」で実現した研究成果なのですね。
3人の功績
私が整理する必要はないかもしれないですが、簡単にそれぞれの先生方の成果をまとめます。
M. Stanley Whittngham(M・スタンリー・ウィッティンガム)
1970年代、鉛蓄電池を超える電池を開発するべく、蓄電池にリチウムを利用した研究を開始。正極に二硫化チタンと呼ばれる物質、負極にリチウム金属を用いて電池反応させました。
John B. Goodenough(ジョン・B・グッドイナフ)
グッドイナフ先生は、正極に適応できる材料の探索を行いました。その中で1980年頃、コバルト酸リチウムに行きつきました。このコバルト酸リチウムによってウィッティンガム先生の二硫化チタンよりも高い電圧を有する蓄電池が実現しました。
吉野 彰
吉野先生は負極材料の探索を行いました。その中で1985年に、金属リチウムではなく炭素材料に着目し、リチウムイオンが出し入れできることを発見しました。正極にコバルト酸リチウム、負極に炭素材料を用いることによって、リチウムを用いた蓄電池は安定的に用いることができる商業化が可能な蓄電池となったのです。
その後、1991年にソニーがリチウムイオン電池を商用化しました。
今では世界的に普及しているリチウムイオン電池ですが、発売開始5年ほどは見向きもされなかったとか。
いつかいつかと待たれていた「リチウムイオン電池の開発」のノーベル化学賞受賞でしたが、とうとう2019年ということになりましたね。
リチウムイオン電池の事故
まだそんなに古い話ではないので記憶にある方もいらっしゃると思いますが、リチウムイオン電池が発火する事故が起こっています。
あれだけのエネルギーを蓄えていますので、危険とは隣り合わせであるのは仕方ない気がしますが…
このボーイングの事故が起こったときに、リチウムイオン電池はノーベル化学賞を受賞することはなくなったのではないかと私は思いました。
顕著な功績であるのは間違いないのですが、危険が隣り合わせでは良い成果というのか議論が分かれるのではないかと思ったのです。
受賞した後から考えてみたらですが、
ノーベル賞の始まりであるアルフレッド・ノーベル氏はダイナマイトの発明者ですので、危険性は気にしなくて良かったのかもしれませんね…
すでにポスト・リチウムイオン電池は始まっている
リチウムイオン電池は1991年に商用化されていますので、それから30年近く経ちました。
その間ずっと研究開発が進められているわけで。
現在では自動車を動かしてしまうほど高性能になっています。
すでに最高レベルに近い状態であり、ここからさらに高性能化するのは非常に難しいようですね。
しかしながら世の中はもっと長持ちして高い出力を有する蓄電池を求めています。
そのため、ポスト・リチウムイオン電池の開発もぐんぐん進んでいます。
今年はリチウムイオン電池がノーベル化学賞を取りました。
そしてリチウムイオン電池を超えられる蓄電池は実用化できるのか?
まだまだ蓄電池業界は盛り上がりが続きそうですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。