おはようございます。家庭学習の味方、maisanaです。
中3になったら高校受験にむけての勉強を塾に頼りたいところです。ですが塾を選ぶときには集団塾にするのか個別指導塾にするのかお父さんお母さんは悩みどころです。
私は3年間、東京個別指導学院という個別指導塾で講師をしていました。その期間で50人以上の生徒を指導しましたし、週6日働いていたので教室のことも端から端までわかっていました。そんな私が個別指導塾をオススメしたい子の特徴をご紹介します。
もくじ
集団塾と個別指導塾の違い

集団塾ならイメージできるけど個別指導塾ってどんなところなのかわからないというお父さんお母さんは多いです。まずは集団塾と個別指導塾で実際に違うところはどんなところなのか項目別に比べてみましょう。
授業形式
授業形式が最も違うがあるところです。
集団塾の授業の形式は基本的に学校と同じようなイメージです。先生が前に立って1クラス20人くらい(集団塾の規模による)で先生の授業を聞く形式です。
個別指導塾では講師1人に対して生徒2人で授業を進める形式が多いです。生徒2人といっても同じ授業を受けるのではありません。例えば、片方が中学生でもう片方が小学生なんてこともあります。2人の生徒の間に先生が挟まって、交互に授業していきます。
それだと授業時間が半分になってしまうのでは?と心配に思うかもしれません。授業中は先生が片方の生徒を教えている間、もう片方の生徒は問題を解く時間です。
個別指導塾は生徒の自主学習を補助してくれるところと思って頂くのが正しいです。塾には通学するけれど教わり方は家庭教師というのが正しいイメージです。

◦ 集団塾は学校の授業形式と同じ
◦ 個別指導塾は自主学習を補助する授業形式
カリキュラム

集団塾では学校で習う全範囲を順番にまんべんなく勉強することになります。多くの生徒を相手に授業をするので生徒それぞれの得意・不得意に関係なく全範囲を授業していきます。
公立高校or私立高校、高難易度高校狙いなどによってクラス分けしている塾もあります。入塾する前にお子さんの志望校のレベルに合ったクラスが用意されているか確認することをオススメします。
個別指導塾では生徒一人一人の目標に合わせたカリキュラムを組みます。定期テストで80点取りたい、○○高校に合格したいなどの目標を決めた後に、そのためには何を勉強するべきか塾(塾長と講師)が判断します。
例えば60点を目標とする子はテスト範囲をまんべんなく勉強するのは非効率です。もちろんテスト範囲をすべて勉強しますが、お子さんの得意・不得意に合わせて勉強すべきところを見極めるのです。生徒一人一人に合わせた授業を行えるのが個別指導塾の良いところです。
月謝
中学3年生であれば集団塾では月3万円前後であるのに対して個別指導塾では月6万円前後です。個別指導塾では先生に対する生徒数が少ないので当然、月謝が高くなります。
また、夏期講習や冬期講習は金額の考え方が異なります。
集団塾ではいくつかの決まったコースが用意されています。例えば3科目(国数英)コースと5科目コースなど。すでに用意されているコースがあって金額も決まっていて、生徒がどれにするか選ぶことになります。
個別指導塾ではお子さんに合わせたカリキュラム(授業数)を提案されます(※東京個別指導学院の場合)。
[1授業○○円(授業単価)] × 授業数 = 講習の価格
もちろん授業数をいくつにするかはご家族で決められます。言われた通りの授業数でも良いですし減らすことも可能です。
個別指導塾をオススメする子の特徴

ここまでは集団塾と個別指導塾のしくみの違いを説明してきました。


私は個別指導塾で50人くらいの生徒を指導しました。その経験から個別指導塾を選ぶと成績が伸びる子の特徴をご紹介します。お子さんが当てはまったなら個別指導塾で決まりです。
① 学校のテストで50点を超せない子
② 算数が出来ていない子
学校のテストで50点を超せない子
学校のテストは最低限のことを理解できれば60点くらいになるように問題を作る先生が多いです。それで50点を超せない子には2つの可能性があります。
- 勉強のやり方がわかっていない(勉強をしていない)
- 学校の授業が理解できていない
「勉強をしていない子」はやっていないだけでやればできる子なのかもしれません。そういう子は集団塾で教えてもらえばテストの点数も伸ばすことができます。
お子さんの様子を見てほしいのですが、勉強のやり方がわかっていない子は注意が必要です。
例えば、社会のテスト勉強をどうやっているかを見てみて欲しいです。教科書の用語を順番に覚えていく、ノートを丸暗記する、一問一答の問題を順番に解いていく。このような勉強方法をしている子はちょっと勉強のやり方を考えた方が良いです。できるならば個別指導塾で勉強のやり方も教わるべきです。
「学校の授業が理解できていない子」は集団塾で伸びことはほとんどないでしょう。この場合、小学生で習う内容からわかっていないことが多いからです。
集団塾では学校の授業をわかりやすく解説する形で授業が進みます。そもそも小学校で習ったはずの基本的なことが抜けてしまうと塾のわかりやすい授業も効果がありません。
そのような子は小学生レベルの基礎から固めていかなくてはなりません。個別指導塾でみっちりと基礎を固めてはじめて中学生の内容も理解できるのです。集団塾では一人の生徒のために授業レベルを下げることはしません。
算数が出来ていない子
算数ができないことが一番致命的です。算数は計算、簡単な文章を理解する力が必要です。算数(小学生の内容)ができなくて、国語や英語ができる子はいません。算数がすべての勉強の基礎です。
中学生で算数ができない子は集団塾でも受け入れてもらえないことが多いです。「集団塾に断られました」という入塾希望者は私の短い経験でも少なくありませんでした。
算数ができない子は個別指導塾にするべきというより、せざるを得ないといえます。
集団塾と個別指導塾ではどちらにした方が良いかを私がハッキリさせると以下です。
偏差値50以下の高校を目指す子は“個別指導塾”
偏差値50以上の高校を目指す子は“どちらも可”
個別指導塾をオススメする子の特徴
① 学校のテストで50点を超せない子
② 算数が出来ていない子
個別指導塾のメリット・デメリット

個別指導塾のメリットは様々な先生がいることです。個別指導塾では各科目に10名前後の先生がいます(塾の規模にもよります)。集団塾では先生を選ぶことはできませんが個別指導塾ではお子さんが先生を選ぶことができます。
先生は勉強を頑張るためのパートナーです。そのパートナーは生徒が選ぶことができます。入塾直後に数名の先生の授業を受けてみたあとに生徒が先生を決めます。
個別指導塾では自主学習をベースとしているので勉強を頑張るためにもお子さんと先生との相性はとても大切です。本人の意思を尊重してあげましょう。
個別指導塾のデメリットは他の同級生と交流が少ないところです。集団塾ではクラスメイトがいます。集団塾であればすぐ隣の席に同じ高校(または同じレベルの高校)を目指す同級生がいて、その子と自分と比べることで競争相手となります。
私の経験談
私がとくに印象に残っている生徒にH君がいます。中3の6月あたりに入塾してきました。H君の中3最初の中間テストはすべてが平均点を大きく下回るものでした。お母さんの強い希望に本人も応じて公立高校に合格することが目標となりました。
その子と話をしていて「この子はなぜ勉強ができないのだろう?」と疑問に思いました。私の質問に対して正しい回答ができることや素早く回答できることは賢い証拠です。学力とコミュニケーションはかなり相関があると私は思っています。
少し授業をするとH君は集中力が大きな課題であることに私は気が付きました。授業中に問題演習の時間になるとすぐに机に突っ伏して姿勢が悪くなってケアレスミスしてしまうのでした。姿勢と集中力もとても深い関係があります。たびたび姿勢を注意していると徐々にしっかり座っていられるようになったのです。
テストの点数もすぐに伸びました。これまで勉強時間が短かっただけで自頭は悪くないことを私は信じていました。ちょっとやんちゃな子だったので夏期講習で授業を無断欠席するなどヒヤヒヤするところもありましたが、無事に公立高校に入学しました。
よく聞く話ですが、やんちゃな子ほど印象に残りますしより多くの成長を感じられるのでこちらも頑張って良かったなと思わさせてくれます。H君は反抗期で親には強く当たりますが本当は甘えん坊な子でした。先生たち前では褒められると嬉しそうにするし、わがまま言って甘える子でした。
個別指導塾では同級生がいないのはデメリットです。ですが逆に同級生の目がないために成績を伸ばせる子もいるんだなと思いました。
最後までお読みいただきありがとうございます。