おはようございます。maisanaです。
私はkindle Fire HD8を愛用している。
購入以来、電子化された本はすべてkindleで読んでいる。
先日の売れてるビジネス書ランキングで3位に「FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」が入っていた。
私が買ってからでも結構な時間が経っているのに、今だに3位に入っていることに驚いた。
それだけ反響があるということだ。
それだけ多くの人に読まれているだから、いまさら本の良さを伝える必要はないのかもしれない。
でも私自身がもう一度読み返したくなったので、ついでに書評もします。
私が大きな影響を受けたこの本がもっと多くの人に読まれてほしいと思っています。
もくじ
みんなが世界の現状を知らない
著者ハンス氏は医者で、世界中の医療現場を見てきた人物だ。
ハンス氏本人がそこから得てきた「世界中の生活の質や考え方」と「医療現場の統計データ」から見た世界を一冊の本にまとめたのが本書である。
本書の中には13問のクイズが記載されている。
これが非常に面白い。
世界中の様々な職種のエリートたちに質問をしてきたが、三択なのに正答率が33%を下回ってしまうという。
そしてその事実を伝える彼のユーモアも素晴らしい。
「皆さんはチンパンジーよりも正答率が低いです」と。
ぜひ購入して質問にチャレンジしてほしい。
ちなみに私は1,2問しか正解しなかった。
バブルチャート
私は本書を読んだ後、TEDでのハンス氏のトークも観た。
彼の代名詞であるバブルチャートによって世界のことがとても分かりやすく説明される。
私も研究者をしているが、こんなにもキレイな図を作るには結構な努力が必要であったと思う。
また、「Dollar Street」という生活レベルを表した写真もわかりやすく示されている。
図示する方法はいくつも存在する。
そこから1つ選んで、うまく使って、斬新な切り口でデータを示す。
そんなことができるのは、ハンス氏が強い想いを持って問題を解決しようとしたこと、ユーモア、謙虚さがあってのことだと私は思う。
どこから目線で話をするのか迷走しているが、とにかく、私は彼の人生に感動していて、会ったこともないが師として仰いでいる。
本能を抑える、それがファクトフルネス
ファクトフルネスは10個の本能を抑えることだそうだ。
これらの方法をハンス氏の経験や事例とともに説明されている。
本書を読むと、ハンス氏は優しい人物であることが伝わってくる。
人が間違いや勘違いするのは本能的に仕方ないことだ。
しかし、それを抑える考え方を学んで、事実を捉えて正しく世界を見てほしいというのが趣旨だ。
ジャーナリスト、政治家が間違った主張をするのも、本能だから仕方がないことだと言うところもとても優しい。
「私たち」の使い方
あなたが「私たち」という言葉を使うときはどんな時ですか?
私の場合、どんなに大きい団体を表しても自分の会社が最大でしょう。
著者のハンス氏が本書で「私たち」というときは人類全体を指している。
これはとてつもなく大きなことをやってのけている人の「私たち」の使い方だ。
役割上しかたないが、安倍首相クラスであっても「私たち」は日本国民規模を指す。
「サピエンス全史」のユヴァル・ノア・ハラリ氏も人類全体のことを「私たち」と呼ぶ。
それだけ大きな仕事をやってると自負できることが素晴らしい。
とても偉大である証拠だと私は思う。
焦り本能を利用しない主義
事実やデータを重んじるハンス氏、本書でも自身の経験は多く語られるが、意思を告げることは少ない。
そんなハンス氏のあるフレーズが私は気になった。
わたしは誇張が嫌いだ。
温暖化は温室効果ガスが問題であることはデータが証明している。
ゆっくりと進んでいく温暖化問題は、人々が解決を急いでくれない。
人は遠い未来の問題は軽視しがちだ。
だが、最悪のシナリオを描いて人々の焦り本能を煽り、関心を集めて解決を急ごうとすることをハンス氏はしたくないらしい。
焦ると正しい判断ができないということと、未来のシナリオはデータの信頼性を失わせてしまうからだそうだ。
あくまで厳密なデータを重要視するハンス氏の想いが語られていて、私が好きな部分だ。
それは、私も誇張が嫌いだからだ。
面白おかしく誇張したような話よりも、実際の出来事を忠実に話してくれる方が好きだ。
それでかつ、面白い話がもっと好きだ。
ニュースの見方が変わる
本書を読むとニュースの見方が変わる。
「もっとデータで示してくれないと本当のことがわからないじゃないか!」って思うようになる。
例えば、高齢者ドライバーが事故を起こしたニュースを見れば、高齢者は免許証を返還した方が良いって流れになる。
「本当に高齢者の事故が多いのか?年齢別に事故件数を示すか、60歳以上の事故件数を年時系列に並べた表がほしいなぁ。」
とか思うようになる。
本書の良いところは、読み終わった後、自ら実践する必要がないことだ。
意識しなくても自然とそう思えるようになる。
あとがき
私はもともと、誰かの主観で批評された事柄に、「本当にそうか?」って思う方だ。
「最近の若者は!」議論では今と昔をデータで比べてくれないとなぁとか思ってしまう。
だからそもそもの素質が少しだけあったところに、本書という強い武器を手に入れて、前より「客観的事実を!」という主張が強くなった。
それが良いのか悪いのかは判断できないところであるが・・・。
そんな私の感性はどうでも良い。
本書が伝えたい大事なこと、「世界は少しずつ良くなっている。」ということも覚えておこう!
最後までお読みいただきありがとうございます。